『イタリアの学生がアジア系の人を嘲笑し「ニーハオ」 人種差別的行為を写した動画が拡散し物議 所属大学は調査すると発表』
この記事、読みました?
イタリアを旅行中のアメリカ人4人が
ミラノでの列車の中で、
若いイタリア人女性3人組に
「ニーハオ」と嘲笑された問題。
動画を撮影してTikTokに投稿したのは、
パキスタン系アメリカ人の@mahnooreuさん。
アジア人差別を受けたのは
彼女の中国系アメリカ人の交際相手と
その母親でした。
もう1人は交際相手の父親で、白人男性だそう。
人種こそ違えど、
4人は全員アメリカ人です。
@mahnooreuさんのTikTokでは、
問題の動画は既に削除されていて見ることはできません。
が、「パート2」と題した動画は別のニュース記事にありました。
いつまで動画が閲覧できるかわからないので、
気になる人は早めに見て!
3人の個人情報を特定したツイート(@madelineceee)は、
既に削除されたようです。
この動画でイタリア人学生3人組が
嘲笑しているのが1分ちょっと。
自分がその立場だったらと思うと、
1分ちょっとでも耐え難い!
なのに、これが「パート2」だなんて…!
海外に行ったことのある人なら、
経験した人が多いかもしれない、
この「ニーハオ」問題。
何が問題なのか、
どう対応すればいいのかについて考察します。
「ニーハオ」ってただの中国語の挨拶じゃないの?
この人は中国人だから、中国語で挨拶しよう!
「ニーハオ!」
これなら、単なる挨拶です。
もしくは、相手が中国人かは確信がないけど
気軽に明るくただの挨拶として「ニーハオ!」と言う場合。
悪意のある「ニーハオ」か
ただ単に挨拶としての悪意のない「ニーハオ」か。
これに関しては、自分がその場面に遭遇すれば、
どちらかすぐにわかります。
(よっぽど鈍感でなければ。)
私は初めて訪れた海外旅行先と
10年ちょっと住んでいた国が同じなのですが、
数回アジア人差別を経験しました。
(ちなみに西欧です。)
最初の海外旅行中に1回。(差別的発言されるのも、人生初。)
10年ちょっと生活する中で、はっきり自覚があったのが1回。
旅行先の東欧で1回。
幸い、滞在年数の割に3回と少ない方だと思います。
あと、悪意のない純粋な挨拶で
「こんにちは!」と言われたこともありました。
一度目は、当時お付き合いしていた彼とその家族と行ったテーマパークで。
もう20年近く前になるので、何と言われたかは記憶が曖昧です。
10代前半の現地の男子(白人)に
「ニーハオ!」だったか、「よぉ、中国人!」だったか、
そのどちらかを言われました。
初めてのことで「え!?」っと動揺しました。
幸い、そのとき近くにいた彼の弟(当時10代前半)が
「彼女は日本人だ!」と言い返してくれました。
同じ国、同じ年頃の同じ人種、性別の相手が
言い返してくるとは思っていなかったのか、
その後その子は何も言わずに立ち去っていきました。
二度目は、住んでいた国の中でも
大使館・領事館が多く集まる「国際的」な都市であるはずの場所。
そんな都市の一番大きな駅のそばで、
中年男性(白人)に「ニーハオ!」と声をかけられました。
明らかに小馬鹿にした言い方に腹が立ったので、
冷たい視線を投げておきました。
「馬鹿じゃないの!?」と思いながら。
三度目が一番精神的ダメージが大きかった…。
旅行先の東欧の国のその場所は、
時が止まったままのような所で。
スラブ系白人しかいないので、
外を歩けば東洋人の私は二度見、三度見されました。
そのときは、
「他の人種に出会ったことがないんだろうな~」
とだけ思っていました。
スーパーマーケットの入り口付近で、
10代後半~20代前半の男女3人組に
「シンシャンション」と言われました。
(注:国や場所によっては、「チンチャンチョン」とも。
中国語の響きやイントネーションを揶揄したもの。
アジア人、特に東洋人への冷やかしとしての言葉。)
- 言われる前に少し落ち込み気味だったこと
- 住んでいた西欧の国とあまりに違いすぎる環境
- 初めて言われた「ニーハオ」以外の差別用語
- 複数人のグループに言われたことも初めてだったこと
そういう理由で、かなりのダメージを受けました。
もちろん、怒りというか、憤りもありましたけどね。
せっかくなので、
悪意のない純粋な挨拶についても書いておきます。
仕事からの帰宅中、
自宅まであと数歩というところで
6、7歳くらいの男の子数人が遊んでいました。
知らない人でも挨拶するのが
普通なお国柄なので、
いつものように挨拶しようとしたら、
そのうちの男の子1人に「こんにちは!」と言われ、びっくり!
「『ニーハオ』じゃなかった!『こんにちは』なんて言われたことなかった!!」
男の子がしてくれたように、
明るく親しみを込めて
「こんにちは!」と返しました。
何が問題?
「ただ単に中国人に間違われただけでしょ?何が問題なわけ?」
そう思う人もいるかもしれませんね。
アジア人という見た目だけで、
短絡的に中国人だと一括りにされてしまうことによる偏見。
一般的に海外での中国人の評判は良くないので、
ほぼ100%侮蔑的な態度を取られること。
自分には関係ないのに!
言われた側は、当然気分を害します。
これは、説明するのが何とも難しい問題でもあります。
経験しないと、きっと全部は伝わらないから。
経験しないで済むことに
越したことはないんですけどね。
差別されたら、どう対応すればいい?
「不快感を表して伝えるのが一番良い」という意見を読みました。
私もそれが良いんだろうな、とは思います。
でもね。
実際、その場でちゃんと反論できるかは別ですよね。
初めてそういう立場になったら、尚更のこと。
もし可能なら、
「アジア人に対する差別だ」とはっきり言う。
差別はいけないことだと
人生のどこかで教育されている場合は、
「差別だ」と名指しすることで気づかせられる可能性ありです。
かなり上級者向けな気はしますが、
状況によっては発言の真意を聞いてみるのも手かも。
何も言い返せそうにないときは、
せめて毅然とした態度を取りましょう。
- アジア人や言語、文化への無知
- 自分のせいで相手がどんな気持ちになるかわからない、想像力の無さ
- アジア人に対する態度でしか自分の優位性を感じられない
以上のような、かわいそうな人なんです。
だから、そのときは怖く感じたり、
落ち込んだりしても、
なるべく早く気持ちを切り替えましょう!
そんな相手のせいで落ち込むなんて、
あなたの貴重な時間がもったいないですから。
自分はあんなじゃなくて良かったと、
感謝しても良いくらいです。
最後に -外国人と接する場合に自覚しておいて欲しいこと-
前述のパキスタン系アメリカ人の@mahnooreuさん。
列車内での動画を投稿後、
イタリア人女学生3人組のうちの1人から
DMが送られてきたそうです。
(その動画は彼女のTikTokで見ることができます。)
その中で、彼女の返信の内容として、
こんなことが書いてありました。
“You ruined your personal reputation and as a representative of your country, you ruined your country’s reputation.”
(自分自身の評判を落としただけでなく、あなたの国の代表として、国の評判までも台無しにした。)
本当、そのとおり!
私は海外在住中、
「自分は日本人の代表なんだ」という意識を持って生活していました。
それはなぜか?
先祖代々の日本人がこれまでに築き上げてくれた
「海外での日本と日本人の評判の良さ」の恩恵を体感したから。
職場での初対面の場で、
「どこの出身?」という質問に
「日本です」と答えると、
いつも好意的な反応が返ってきました。
(余談ですが、
香港出身者は中国本土とは違うという意識があるので、
「中国出身です」とは言わず、
必ず「香港出身です」と強調していたのが印象的でした。)
自分に出会う前の
日本や人の印象が良かったお陰だろうし、
その人にとっては自分が初めて接する日本人かもしれない。
そう考えたら、責任重大だと思いませんか?
だって、自分のせいで
日本や日本人に対する印象が悪くなるかもしれないんですから。
次にその人が日本人に接することがあったら、
その日本人が温かく迎えてもらえるようにしたいじゃないですか。
良い評判を築くのは大変だけど、
評判を落とすのは簡単です。
そういうことまで考える人が増えたら、
差別発言とかは減るんじゃないかな~と思います。
海外旅行へ行く人も増えていくと思うので、
ぜひそういう意識を少しでも持って行って来てください!
旅の恥はかき捨てじゃないですよー!
そしてもちろん、
日本国内で外国人と接する機会も同じだと
心に留めておきたいですね。