西村宏堂さんって、知ってました?
浄土宗の僧侶、LGBTQ活動家、メイクアップアーティスト。
主に3つの肩書を持つ異色の存在です。
私、名前は知らなかったんですけど、
少し前にインスタグラムでチラっと
見かけたことがありました。
今回「誰だ?」って思って検索したら、その方で。
すぐ「あ!この人見たことある!」となりました。
たった一度投稿を見かけただけだったのに。
(画像出典:インスタグラム@kodomakeup)
すごく印象に残る方ですよね。
気になって調べてみたら、
学ぶことが多くて!
色んな経験をされているからこその、ドラマチックな人生。
枠にとらわれない自由でカラフルな生き方。
よく話題にはなるものの、あまり知らないLGBTQの多様性。
それに、人生を好転させるヒントもありました。
西村宏堂ってどんな人?-幼少期からアメリカの短大進学まで-
1989年、東京都港区生まれ。
実家は都内の浄土宗寺院。
幼い頃からきれいなものが大好きで、
家でだけはスカートをはいていたそう。
(画像出典:インスタグラム@kodomakeup)
理由は、「家ではスカートをはいても安全だと感じたから」。
この投稿を見て、まずご両親が素晴らしいと思いました。
「本当の自分でいられる安全な場所がある」って、
どんなに救われるでしょう!
義務教育が始まり成長していくにつれて、
男女間の違いや隔たりが顕著になっていくと、
西村宏堂さんの中の違和感は大きくなっていったそうです。
「学校でも年齢を重ねるほど、男として、女としてという周囲の区別は明確になっていって。その型に当てはまらない私は、『女の子っぽい』とか『男らしくない』などとバカにされたりしました。本来の私を表現しても、この社会では受け入れられないと実感して怖くなりました。男性を好きな自分は恥ずかしい存在だし、男らしくいられない自分は劣等な存在なんだなと」
(引用元:東洋経済オンライン『「ハイヒールを履いた僧侶」の正々堂々とした人生 西村宏堂さん「ユニークな自分として生きていく』)
YoutubeのTEDx Talksで2020年9月公開の
西村宏堂さんの回を見ると、
性別や自身の性自認を色で例えられていて、
わかりやすかったです!
注:動画では英語を話されていて、日本語字幕はなし。
ですが、ゆっくりはっきり話されているので、それほど難しくはないと思います。
英語に苦手意識のある人も、ぜひ挑戦して見てみて!
西村さんの中での性自認は
「男女のどちらでもあり、そのどちらでもない」。
そのことを動画の中では、
「自分は青(男子)とピンク(女子)が混ざった紫のようだと感じた」
「もしかしたら、自分は全く違う色、例えば黄色なのかもしれない」
と表現されていました。
私にとっても学ぶことばかりなLGBTQ。
西村宏堂さんは、18歳までは誰にも打ち明けられなかったそうです。
完全に孤立し心を閉ざしていた高校生活で、
唯一の心の拠り所となったのが、
世界中の人が集まるゲイチャット。
そこでの会話は英語だったので、
西村さんの英語はメキメキ上達。
(中学時代に家族旅行でハワイへ行ったのをきっかけに、英会話に熱心に取り組んでいたのが功を奏したようです。)
同じような悩みを抱える人たちと
交流したことで、
自由の国アメリカに行けば何かが変わると信じ、
両親の反対を押し切って高校卒業後はボストンの短大、ディーンカレッジへ進学。
(舞台芸術やダンスなどの学科で特に有名な短大で、4年制大学の編入率が90%と高いのが特徴らしいですよ。)
でも、そこで直面した現実は
全く異なるものでした…。
アメリカでの挫折と訪れた転機
「アメリカでもなかなか友達はできず、アジア人であることを理由に人種差別的な言葉の暴力を受けたことも。ここでも自分は受け入れられないのかといじけて再び心が折れました」
(引用元:東洋経済オンライン『「ハイヒールを履いた僧侶」の正々堂々とした人生 西村宏堂さん「ユニークな自分として生きていく』)
そんな西村さんに転機が訪れました。
2007年のミスユニバース世界大会で
森理世さんがグランプリを獲得したことでした。
(画像出典:WOMO)
「彼女は“日本人であること、自分であること”を堂々と表現して、それが評価されていました。人種のせいで認めてもらえないと思っていた私には、目から鱗でした。その後も彼女の活動を追ったり、関連書を読んだりするうちに気づき始めたんです。もしかして、自分の人生がうまくいかないのは、人種や同性愛の問題ではないのかもしれないと」
(引用元:東洋経済オンライン『「ハイヒールを履いた僧侶」の正々堂々とした人生 西村宏堂さん「ユニークな自分として生きていく』)
「同性愛者だから」
「日本人、アジア人だから」
辛かった出来事の言い訳にしていたことに気づいた瞬間ですよね。
そこに気づき、受け入れ、自分の人生の責任を自分で負う。
とても勇気のいることだし、辛かったと思います。
果たして、
「自分の人生の責任を自分で負っている」と
胸を張って言える人がどれくらいいるでしょうか?
あなたは断言できますか?
私は正直に言って、
全責任を負う覚悟ができているとは言い切れません…。
恥ずかしい!
でも、私もそうなりたい!
森理世さんの活躍をきっかけに、
心の向きが変わって行動を開始した西村さん。
初めてリアルな同性愛者の友達ができました。
その友人たちと世界各国を旅し、
訪れたスペインでは生涯の親友に出会えたそうです。
そのお陰か、西村さんはスペイン語も堪能です。
すごい!
スペイン語を話す西村さんが気になる方は、こっちね!
(インスタグラムのリールです。)
ボストンの短大、ディーンカレッジ卒業後、
ニューヨークの名門パーソンズ美術大学に入学。
(ウィキペディアはこっち。卒業生の名前がすごい人ばっかり!!)
大学で学びながら、転機となった
ミスユニバースのメイクを手がけた
メイクアップアーティストを訪ね、
自らアシスタントを志願して仕事も始めたそう。
すごい行動力です!!
(画像出典:インスタグラム@kodomakeup)
ボストンの短大もNYの美大も
メイクを学べる専門コースがあるわけではないんですよね。
なのに雇ってもらえるって、
余程熱意が伝わったんだろうし、将来性もあったんでしょう。
美容師法違反の「無免許メイク」問題って?
メイクと言えば、
西村宏堂さんのウィキペディア記事には、
以下のようなことが書いてありました。
2022年5月、日本の美容師免許を取得せずにメイクアップアーティストを職業にして「無免許メイク」を行っていたことを告発され、東京都港区みなと保健所から美容師法違反であり「美容を業とする」ことはできないと指導されたことが、2022年12月28日発売の『週刊文春』1月5日・12日 新年特大号に掲載された。
「ヘアメイクアップアーティスト」の場合は、
確かに美容師免許が必要ですが、
単純にメイクのみを施す場合は、国家資格は必要ないようですけど…?
西村さんは髪の毛もやってらっしゃったのかな?
だって、ちょっと考えてみて?
デパートの化粧品売り場で働いている美容部員さん。
お客さんにメイクするじゃないですか?
髪はノータッチでしょ?
美容部員になるには美容師免許いるって、
聞いたことないですよね…?
「日本の美容師免許を取得せずに美容を生業にすることはできない」
これだと、ほとんどの美容部員さんは違反してることになりませんか?
「告発」って、誰がしたんでしょうか?
LGBTQ活動家で、
メイクして好きな格好して
ハイヒールも履いて。
僧侶の型にはまらないユニークな存在を批判する人でしょうか?
堂々とした人生へ
アメリカで積極的に行動するようになった
西村宏堂さん。
自力で動き出し、さまざまな出会いと経験を重ねるうちに、西村さんは確信した。
「自分は劣等な人間ではなく、ユニークな存在である」と。
「それに、敬愛する友人たちは同性愛者であることを隠さずに、堂々と生きている。自由に自分らしく生きながら、多くの仲間や愛情にも恵まれていて。その姿は、眩しいほどに輝いていました。自分もそうなれるはずだなと自然に思えるようになりました。
(中略)
自分に正直に生き始めると、人生が変わると西村さんはいう。
日本人であることも、同性愛者であることも、男らしさの型にハマらない自分も。隠したり卑下したりするのではなく、まずは自分自身が受け入れ、個性として表現できたら、人間関係も仕事も生活もすべては上向いていくのだと。
(引用元:東洋経済オンライン『「ハイヒールを履いた僧侶」の正々堂々とした人生 西村宏堂さん「ユニークな自分として生きていく』)
学ぶことのオンパレードですよ!
LGBTQ当事者じゃないから、「自分には関係ない」と思ってる?
日本人は特に、「こうあるべき」と
周りや社会から圧力をかけられながら
生きている人がほとんどなのでは?
「男/女はこうあるべき」
「母親/父親なら、こうするべき」
「こうするべきではない」
本当はやりたい事があっても、
他人からの評価が怖くてできない、とかね。
「(中略)私は『男でも女でもある』と感じているし、同時に『男でも女でもない』とも思っています。以前の私だったら、男でも女でもない自分に劣等感を持っていたのですが、今はこの自分に誇りを持てるようになりました。あらゆる固定観念を取り払い、時間をかけて、やっと自分というものを理解できるようになったんです」
ほかでもない自分が自分を深く理解すると、自分の価値も本気で信じられるようになると西村さんはいう。だから、思い切って生きられるようになるし、そこに本物の仲間や応援してくれる人も現れる。そして、本当の幸せは、本当の自分を知ることから始まるのだと。
(引用元:東洋経済オンライン『「ハイヒールを履いた僧侶」の正々堂々とした人生 西村宏堂さん「ユニークな自分として生きていく』)
メモ、メモ! _φ(・_・
自分の価値を本気で信じられる、揺るぎない自信が欲しい!
西村宏堂さんの場合は、
上記の境地に達したのが20代前半と若いですが、
何歳からでも遅くはない!
私ももっと自分を理解して、
今よりも自分に正直に生きられるようになりたいです。
最後に
もう既に長くなったので、
今回の引用元の記事の後編はリンクを貼るだけにしておきます。
(画像出典:インスタグラム@kodomakeup)
2020年には本も出版されています。
(2022年出版の英語版以外にも、6か国語に訳されているそう!)
- 『正々堂々 私が好きな私で生きていいんだ』(2020年7月27日、サンマーク出版)
- “This Monk Wears Heels: Be Who You Are”(2022年2月8日、Watkins Publishing / U.K.)
本も読んでみたくなりました!